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新潟県立大学=2025年8月26日、新潟市東区
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 新潟県立大学(新潟市)は26日、2月にあった今春入学生向け試験の一般選抜で採点ミスがあったと発表した。採点し直した結果、不合格者のうち9人を追加合格とし、希望者を入学させるという。入学した場合、4月生と同じ時期に卒業できるよう配慮し、他大学への進学費用などの損害も補償する。

 採点ミスがあったのは、国際経済学部の一般選抜A日程とB日程の英語の問題。長文読解を踏まえた4択で、正しい解答を誤答として採点していた。8月1日に大学のホームページで問題や解答例を公表したところ、7日に入試問題を扱う出版社から指摘があり、判明した。

 大学によると、問題を作成した教員が用意した解答例は正しかったが、採点時に使った資料が誤っていたとみられるという。合格者数に対する受験者数の割合を示す「実質競争率」はA日程で2.0倍、B日程で2.6倍。

 この日、記者会見した入試担当の柳町裕子副学長は「採点作業は全て複数の教員で行った」としながらも「重大なミスが起きたことを真摯(しんし)に受け止め、検証していきたい」と話した。大学は学内の教員で構成する「再発防止検討委員会」を設置し、来年2月の一般選抜までに再発防止策を公表する。

 大学によると、入試に関して、合否判定に影響を与えるミスは初めて。文部科学省によると、2024年度は全国の国公私立大で371件の入試ミスが発生し、24人が追加合格となった。文科省は外部から指摘があれば組織的に検証することや、受験者に丁寧に対応することを求めている。

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